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国際理解の根底にあるマインドとは | JECSAカンボジア

国際理解の根底にあるマインドとは

2019年9月2日

皆さんは、国際理解とは何をすることだとお考えですか。

私は、ヨーロッパの学校に赴任中、学校で取り組んでいた国際理解教育の責任者を任された経験から、

「国際理解とは何か。」

と聞かれたら、直ちに

「自他の違いを認め、受け入れ、相手に歩み寄っていくこと。」

と即答します。

人種、肌の色、体型、言葉、国の歴史、文化、習慣、考え方・・・。

限りなく違うこれらを理解し、受け入れることだと思っています。

私は、自らの経験を通して、この国際理解とは何かを実感しました。

 

私が滞在していたのはドイツでした。

青い目で、色白で、体が二回りも大きく、ドイツ語を話し、近代史においては隣国を侵略した歴史的な背景を有し、独自の文化を持ち、勤勉であり散歩好きで倹約家であり、合理的な考え方を好むドイツ人と私たちでは、全く異なっています。

私は、当時、プライベートな場において、テニスクラブのチームに所属していました。

その中で私が最も親しくしていたのが、アッヒムというダブルスのパートナーでした。

(左は長女のロレーン、当時7歳でした。)

ダブルスでは、お互いの戦略的な理解がどうしても必要です。

数多くの試合を通して、次第に気心が知れていき、家族ぐるみの付き合いに発展しました。

20年以上経った今でも親交が続いていて、今ではお互いに親友と認めあう関係です。

私がドイツ語を話そうと努めたことも、彼らが私を心から仲間として受け入れてくれた理由だったように思います。

日本人が、日本語を話す外国人に共感を持つのと同じことです。

私の知人に、ドイツ語を一切使おうとせず、いつも英語で話す人がいました。

確かにたいていのドイツ人は英語が理解できるし、通じ合うことはできます。

でも、その人は、彼らと親しくなることはありませんでした。

英語で話しかけることは、人と人との間に別の土俵を持ってきて、その上で相撲を取ることと似ています。

つまりは、ビジネスのような関係です。

ドイツ人は、初対面の人にいきなり心を開くことはありませんが、ひとたび親しくなるととことん仲良くなれる人たちなんです。

彼は私の考えていることをすべて理解しているし、私も彼の考え方が手に取るようにわかります。

私たちは、お互いの違いを知っています。

私の身長は172cmですが、彼は190cmの大男です。

私の髪の毛は黒ですが、彼らは金髪です。

私の瞳は黒ですが、彼の瞳はブルーです。

私は家族と離れて暮らしていますが、彼はいつも家族と一緒です。

彼は私以上に倹約家です。

私はあまり感情を表出させませんが、彼はストレートに表現します。

私はお祭りごとが好きではありませんが、彼は大好きです。

 

違いに、良いだの悪いだのの評価はまったく必要ありません。

その違いを理解した上で、どんな行動を起こすかが大事なのです。

ちなみに彼のすごいところは、私のドイツ語の語彙力を完璧にわかっているので、私の理解の及ばない言葉を決して使いません。

相手が理解しているかを考えようともせず、母国語で一方的にペラペラとまくし立てるように話す人が、国際理解の精神を持っているとは思えません。

相手がわかる言葉を選んで、理解できるように話すから、コミュニケーションも成り立つのです。

私は、相手を理解しようと努め、すべての違いを受け入れ、相手に歩み寄ろうとし続けることこそ、真の国際理解だと思っています。

 

カンボジアに来られたご支援者様方を見ていて、思うことがありました。

皆さん、ありがたいことにカンボジアを理解し、日本との違いを受け入れ、カンボジアの人たちに歩み寄ってくれるんです。

戦争の被害者の方々に心から合掌して祈ります。
カンボジアのいいところを見つけて、好きになります。
そして、片言でもクメール語を使おうと努力します。

スマイルサポートツアーにいらっしゃった方々は、すべて真の国際理解の推進者と言えましょう。

その国際理解のマインドに、心から感謝申し上げます。

常にオープンマインドでいれば、交流活動を通して、必ず素晴らしいものを受け取ることができると確信しています。

第1期のスマイルサポートツアーを終えて、そんなことを感じている今日この頃です。

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