カンボジアにおけるチップの概念

2024年8月6日

日本の価格は、基本サービス料込み。

それゆえ、日本人には受けたサービスに対してチップを支払うという概念はありません。

そんな日本人が一歩外に出た時に困るのが、

チップ

です。

私も、よく日本人の渡航者方から、

チップっていくら渡せばいいんですか。

と尋ねられます。

でも、それに明快に答えることは、とても難しいのです。

なぜなら、その時々の状況によって、異なるからです。

それでは、チップの金額を決定づけるものは何だと思いますか。

それは、

①かかった労力

②要した時間

③負担させた経費

です。

例えば、バイクに乗っている人が、チケット制の駐車場の係の人にチップを払うとしたら1,000リエルが標準。

100リエル札5枚ではなく、1,000リエル札一枚で、さりげなくスッと渡すのがスムーズです。

カンボジアの市場では、たいていこれが義務になっていますから、そこでは必ず支払わなければなりません。

ただし、大型スーパーなどの商店では、彼らはお店から既定の給料をいただいて仕事をしていますので、必ず支払わなければならないというものではありません。しかし、バイクを乗りやすい位置に出してもらったり、特別なサービスを受けたら、チップを渡すのがマナーだと言えます。

私は、日曜日であれば、どんなところに駐車しても、休みの日まで仕事をしていることに感謝の気持ちをのせて、たいてい支払います。

1時間のマッサージを受けたら、10,000リエルお渡しします。

ナイトパブやKTVで2~3時間臨席してもらえば、最低5ドルがマナーとされます。(あくまでも最低です。)

半日かけて、バイクのエンジン修理をしてもらったときには、10$のチップを渡したことがあります。

また、数日間、ドライバーさんに案内してもらったときには、サービスの度合いに応じて、20~50$のチップを渡します。

こうして考えると、チップの金額は、その場の状況で変わってくるということがお分かりいただけるものと思います。

大切なことは、渡す渡さないの判断やその金額の決定権は、あくまでも渡し手にあるということです。

受け手の方から、いくらよこせとは決して言いません。

そう考えると、サービスに対する評価がチップだとも言えます。

つまり、私たちは、何かをしてもらったら、きちんとそれを評価してあげる必要があるのです。

チップの受け渡しが生じる場で、それを履行しないということは、マナーのない人だなという印象を与えかねません。

以前、こちらに来た日本人で、渋い顔でいやいやチップを渡す人がいました。

ほれっといわんばかりに放り投げるようなあげ方を見て、この人はお金が循環していない人だなあと感じたものです。

また、観光地のトイレで、清掃しているおばさんに支払い箱(500リエル)のお金を支払わいたくないばかりに、現地の方と大げんかした学生もいました。

まあ、この学生は、カンボジアに来たばかりで、トイレを利用するのにお金を払う必要はないと強く主張していたのですが、カンボジアでは清掃業務をする人にチップを払うのは常識でもあります。

こういった業務の人々は、一日それを仕事にして、利用する人々から小さなお金を受け取って家族を養っているのです。

これら日本人の行為は、カンボジアでは、全く通用しません。

お金をけちることは、カンボジアの生活にそぐわないこと。

そもそも、支払うお金に感謝をのせられない人(いわゆるドケチ)には、お金も入ってきません。

なぜなら、お金というものは、喜びというマインドをのせて循環させてこそ生かされるものだからです。

私が見ている限り、スムーズな人間関係を築いている人は、チップの受け渡しがとてもスムーズですね。

そして、そういった人の多くは、幸せな人生を歩んでいるのです。

自分もそうありたいと強く思います。

ちなみに、私のズボンの後ろポケットには、いつでも小さなチップが渡せるように、1,000リエル札が必ず10枚ほどは入っています。

国道を通ると、信号待ちのたびに、物乞いの人が近づいてきます。

そのたびに、何度もポケットに手をやることになります。

こういったお布施を実践することが多いのも、カンボジア社会です。

カンボジアに来たら、皆さんも、小さなお札をポケットに詰めて、感謝の気持ちをチップやお布施に乗せて表してみましょう。

まずは、行動から。

そこから、あなたのマインドが変容しはじめます。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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