【スタッフブログ】うれしい出来事

こんにちは。スタッフの松本です。

先日、ある考え事を抱えていた私にとって嬉しい出来事がありました。

毎回授業終わりに英単語の質問をしてくる女の子がいました。

持参してきたと思われる英語の絵本を見せて、「これはどう読むの?」と単語を指差すのです。

英語に対して向上心を持ってくれていることに嬉しい気持ちでいると、その子は自分は将来エンジニアになりたいのだ、と笑顔で教えてくれました。

私たちは子供の頃、「将来の夢」を持つことを学校で教えられてきました。私たちの可能性は無限大であり、何にでもなれると大人は励ましてくれました。実際、様々な選択肢の中で、自分の努力次第で希望業界に就くことを叶えられる環境が日本にはあります。

対して、「カンボジアはどうなのだろう。子供たちは自分の将来を思い描けているのだろうか。」

こんなことをしばらく考えていた時期がありました。

ここに来て目にした教育環境の現状が、事前に分かっていても更に深刻だと感じたからです。

保護者の教育への理解を得られないと進学は難しいことや、塾に通う子供と通わない子供で学力に大きく差がついてしまうこと、やる気を失った子供が学校を辞めて働くことは珍しくないこと、夜遅くまで保護者なく物を売り歩く子供も毎日見掛けました。

私たちにとっては当たり前にできる、「将来なりたい自分を想像する」ことへの余裕や視野がない子供が沢山いるのだろうなと、私自身が就職活動を意識する時期にあることもあり、問題のスケールの大きさに悶々としてしまいました。

そんな時、先述の出来事がありました。

彼女は夢を叶えようと一生懸命英語を勉強していて、私は彼女の夢のためにできることがある。そんな実感によって、現状をすぐに変えることはできずとも、改善に繋がる環境作りはできる、とこの教育支援活動の意義を再確認しました。

このような思いから、今私にできることは活動をより密なものにすることだと感じました。具体的には、前任者と後任者で知識を共有した、長期的に一貫性のある指導の実現ができればなと考えています。

英語の習得に文法は避けては通れませんが、クメール語を流暢に話せない私たちにとって、子供たちに文法を理解してもらうのは困難なことです。しかし、授業訪問の際、子供たちの苦戦している様子を見て半ば諦めていたところ、次の訪問の際にはできるようになっている!という経験が多々ありました。ここでの授業では(日本も同様ですが)、一回限りの学習で終わらせるのではなく、長期的な視点で粘り強く反復練習をし、できるようになったことは定期的に復習を取り入れることが大事なのではないかと、複数の学校を回って感じています。

チアフルスマイルの活動では、数週間の任期のインターン生が大半を占めますので、どうしても一貫した授業というのが難しい点があります。その為、前任のインターン生から新任のインターン生へ認識を共有することが有効ではないかと考え、後に続くインターン生の皆様にお渡しできればと思っている各学校の授業記録の作成を進めております。

私の任期は残り僅かなこともあり、子供との別れを考えると共に、どんな大人になっていくのだろうとワクワクのような気持ちもあります。今自分にできることをし、子供達が自分のしたいことを選択できる未来に少しでも貢献したいと思っています。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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