一人のインターンが持ち帰るもの

インターン

たった一人で、遠く離れたカンボジアにやってくる。

それは、ご本人にとってどれほど大きなチャレンジなのか、私は知っています。

2月16日~28日まで、こちらで活動されたSさんの例を挙げさせていただきます。

初日に、空港でピックアップ。

そのまま、孤児院で炊き出し支援に参加した後、ホストファミリーのお宅へ。

Sさんは、活動前から、授業を行うことに不安があり、たびたび日本から質問を寄せていました。

しかし、いざその場に立って、やってみれば、数日後には子どもたちと楽しく授業ができるようになりました。

なぜなら、子どもたちが学びを欲しているからにほかなりません。

日本の子どもたちは、どうでしょう。

一部の親には、学校を信頼することなく、せっせと我が子を進学塾に通わせているのが実情ではありませんか。

少なくとも、カンボジアの地方の子どもたちにとっては、学校が唯一の学びのよりどころになっています。

もちろん、このような場で指導することは、大きな重圧もあることでしょう。

でも、我々の活動は、スクールサポートの一環です。

下は、子どもたちと、校内清掃を行っています。

こういう活動を通して、子どもと一体感が生まれ、授業にも良い影響が生みだされていきます。

こちらに関連記事を書きました。お読みください。

この記事にも書きましたように、(先生方を含めて)学びを授かっていない人々が外国語である英語を教えることは、あまりに敷居が高いことだとお分かりいただけるものと思います。

だから、小中高と英語の基礎文法をはじめ、読み書きをきちんと教わってきた我々は、たとえ教師でなくても、自信をもって教壇に立っていただきたいのです。

一日中、異国の子どもたちと一緒の生活は、日本では得ることのできない体験です。

そんなSさんが、こんな感想を残してくれました。

忘れられない2週間

私にとってこの2週間は一生忘れることのない日々になりました。

初めてのカンボジア。クアラルンプール空港でプノンペン行きに乗り換えたとき飛行機には多くのカンボジア人が乗っていました。知らない人同士でも会話して笑って明るい人たちだな。と心の中で思っていました。

到着し、SIMカードを買い準備万端です。プノンペンの街並みは思っていたよりも建物がたくさんあって、漢字が多くて中国のような雰囲気でした。松田さん達が私をピックアップしてくれた為安心して空港を出発する事ができました。

1日目リーチさんのお店に行きクイティウを食べました。とってもおいしかったです。そこから本格的に活動スタートです。孤児院へ行きカレー作りのお手伝いです。初めてみたカンボジアの子供達に私は心を痛めました。何をしていいのか分からず、どのように触れ合ったらいいのかも分からない。ただ立っているだけでした。しかし、少し時間が経つと子供達は打ち解けて笑ってくれました。とても嬉しかったです。

孤児院での活動を終え、ホームステイの家に帰ってきました。ティーダさんは2人の実子と6人の子供の面倒を見るとても優しく、かっこいい女性です。その日の夜にカンボジアの教育や自分、家族について話してくれました。話を聞くたびに彼女を尊敬し、私も彼女のようになりたいと思います。一緒に住む子供達も10代ですがとても頼りになる子供達です。

2日目からはついに学校で授業がスタートしました。自己紹介をして英語の授業に入っていきましたが、大失敗です。私の英語は彼らにとって難しく、早かったのだと今思うと反省します。学校が終わり落ち込んだ気持ちでいるとティーダさんがマーケットに連れて行ってくれました。バイクに乗ると風を浴びて気持ち良いです。ご飯も食べ落ち込む気持ちは消えました。家に戻るとティーダさんの家にはすでにたくさんの子供達が待っています。午後の課外授業です。そこでは中学生の英語や小学1、2年生の英語を担当し子供達と触れ合いました。中学生のみんなは英語でコミュニケーションがとりやすく、日本語で挨拶もしてくれてすぐに仲良くなれました。小学生はとても元気で授業をしていて楽しかったです。

日曜日は完全な休日です。ティーダさんの旦那さんがプノンペンから帰ってきてくれました。朝にはマーケットに連れて行ってくれて一緒にご飯を食べました。夜はピザを食べにいき、ドライブをしてくれました。旦那さんもティーダさん同様優しく気さくな方でした。

2週目の始まりです。反省を生かし、新しい授業の方式をとったことで授業は確実に進めやすくなりました。私も生徒の名前を少しずつ記憶してきて名前で読んであげる事ができたので嬉しく思います。

ついに最後の日です。学校の生徒に別れの挨拶をし、私からのアドバイスを与えました。多くの生徒が私のもとに駆けつけメッセージとハグをしてくれたことが記憶に残っています。コミュニティスクールでも最後の授業を終え写真を撮り、高校生のクラスではインタビューを受けました。生徒からの質問や先生からの質問に答えました。英語が上手に話せた訳ではないですが、生徒が一生懸命聴こうとしてくれる姿はとても印象的です。大学に行く学生もいます。彼らには大学へ行き多くのことを体験し広い世界を見てほしいと思いました。

最後に私がこの2週間で学んだことは、今を生きるということです。日本にいた時は先のことばかり考えていました。しかし、ティーダさん同様カンボジアの人々は今を生きているように感じます。いまある問題に全力で取り組み、少しずつ前進していきます。私もこの経験を生かし、将来ばかりでなく今をもっと大切に生きていきたいと思います。

とても貴重な機会をいただきありがたく思います。松田さんをはじめとする関係者の方々に感謝申し上げます。

今を生きる・・・

短い言葉ですが、なんと重みのある言葉でしょう。

これを2週間で実感して帰られた・・・。

それを、ホストファミリーやカンボジアの子どもたちが教えてくれた。

それこそが、Sさんにとっての活動の財産だと思うのです。

Sさんのスタッフブログ。

これから、こちらにインターンで来られる方。

何を教えるかは決まっています。でも、教え方はあなた次第。

子どもの前に立てば、みな先生です。

さあ、子どもたちと学びの渦を巻き起こすくらい、たっぷりと活動してみましょう。

あなたのチャレンジを我々は、精一杯応援します。

いかにして教えるかについては、動画にも上げておりますので、参考にしてください。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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