カンボジアの将来はどうなっていくのか

現在は、カンボジア王国という名の通り、政治的には中立ですが、経済上での中国との結びつきが強まり、政治そのものにも影響を及ぼし始めています。

実際に、2004年ころからのカンボジアの経済成長は、中国マネーとの密接なかかわりがありました。

事実、シアヌークビルは、中国資本が独占状態で入り込んでいて、チャイナタウンと化しています。

 

こんな実態を、多くのカンボジア国民は危惧しています。

もちろん、

カンボジアが中国の属国になること

を怖れてのことです。

 

これは、ローカルな話。

カンボジアの人々が好まない国として真っ先に挙げるのはどの国かご存じですか。(日本人も、たいていは○○と○○と上げるでしょうから、そんな感覚のモノです。)

それは、

中国とベトナム

です。

 

中国には、国が乗っ取られることを理由に。

ベトナムには、南ベトナムの旧メコンデルタ一帯の土地やプーコック島を奪われたことへの反感から。

 

現在の政治路線が、親中国・親ベトナム路線なこともあり、人々は、潜在的に国の将来に危機感を持っています。

 

中国は、経済的開放政策を打ち出してはいるものの、共産党が一党支配している国。

ベトナムは、ご存じの通り共産主義国家。

実は、ベトナムと中国の関係も微妙で、歴史的には、協調と衝突を繰り返してきています。近年では、南シナ海の石油発掘問題により、ベトナム人の中国への反発が強まっています。

 

カンボジアは、西にタイ・東にベトナム・北にラオスと国境を接する国。

地理的に、政治的なかじ取りが難しい位置にあると言えます。

その上に超大国である中国の「一帯一路」政策による影響を受け続けています。

一帯一路政策とは、中国の習主席が2014年に提唱した、未来への広域経済圏の構想のこと。AIIB(アジアインフラ投資銀行)への加盟を促進し、将来的には、中国元での通貨統一をも見越した政策ともいわれている。日本は、これには米国と共に加盟していない。

 

1953年、パリ和平会議に出席した故シアヌーク国王が独立を訴え、フランスの支配からの脱却を国際的に認められた時、カンボジアの国民は将来に大きな希望を見出しました。

 

このことからもわかるように、

カンボジア国民の真の願いは、自分たちの手で自分たちの国家を作り上げること。

だと思っています。

 

それに対して私たちに何ができるのか。

そんな視点で、支援活動を考えていく必要があります。

ただ、モノを与えるだけではない、自立を助ける支援が必要とされています。

 

カンボジアが10年先どうなっているかは、やはり教育によるところが大きいと思います。

カンボジアの現在の若者たちは、全員ではありませんが、教育を受けて育っている世代。

彼らが、自分たちの国を作る原動力になっていくと信じます。

 

最後に、

私は、これまでに、カンボジアの国の将来を真剣に考える多くの若者たちに出会いました。

国のためになることなら、身を削ってでもやる。

たとえお金をもらわなくても貧しい人々の生活が少しでも良くなるのなら、喜んで手を貸す。

そのくらい、愛国心を持っているんです。

そして、真の民主化と経済発展を願っています。

彼らは、私が日本の話をすると、食い入るように聞き入ります。

現在の団塊の世代の方々が、戦後作り上げた日本の民主主義・経済発展に対するあこがれには、相当強いものがあります。

 

日本の若者たちは、このカンボジア青年たちの愛国心をどのように感じますか。

そして、日本の将来をどのようになることを願って行動していますか。

私は、カンボジア支援を続けながらも、日本の若者たちには、この部分も持ち帰ってほしいと心から願っています。

 

私も日本人です。

たとえ離れて住んでいても、日本の将来をいつも案じています。


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