プノンペンでごみを拾い続ける一人の日本人男性の話
昨年の12月、コンポントム州のあるゲストハウスに滞在していた時、
偶然、一人の日本人男性とお会いしました。
気さくなこの方とお話をしているうちに、ある事実に思わず、
「えっ、本当ですか?」
と聞き返してしまったのを憶えています。
私は、耳を疑いました。
そう、
この日本人男性の方のお名前は、
井上あいびきさん、67歳。
プノンペン農業大学で、現在、食品科学について指導していらっしゃいます。
驚いたことは、
プノンペンのある通りでごみを集めていらっしゃるという事実。
でした。
このことは、地元メディアにも大きく取り上げられています。
Cambodianess
Japanese Professor Helps to Clean up Garbage in Capital
Cambodian wiki news
ចេះតែឆ្ងល់ អ៊ុំប្រុសម្នាក់ជាជនជាតិជប៉ុន បានអូសរទេះដេីរមកសំអាតសំរាម ចងឡេីងស្អាត ដំបូងស្មានថាម្ចាស់រោងចក្រ តាមការពិតគាត់គឺជា……(មានវីដេអូ)
なんと、彼のフェイスブックへのアクセスは、100万を超えています。
カンボジアでは、かなり知られた日本人のお一人です。
プノンペンの早朝。
67歳の日本人男性が、ほうきとゴミ袋を積んだワゴンを引っ張って、首都プノンペンの道路でゴミを集めています。
井上相引(いのうえあいびき)さんは、土日祝日、午前6時から正午まで2002ストリートに沿ってゴミを収集し、ゴミの入った袋をゴミ収集エリアに運んでいきます。
「私は単純な人間なので、できることをします」
と彼は言います。
そして、
「カンボジアのごみ問題は、非常に困難なことですが、少しずつ取り組んでいけば目標に近づいていくと信じています。」
と熱く語ります。
カンボジアに7年間住んでいる井上教授は、最初に彼の住んでいた地域には、ゴミが散乱していたと語ります。
2017年、彼は、ポーセンチェイ地区のチョムチャオコミューンの自宅周辺のゴミの掃除を始めました。
その後、彼は2002ストリートに引っ越しました。
「日本人は、若い頃からゴミ処理の方法を学びます。」
「私は子供の健康を心配しています。クリーンでグリーンな環境が大好きです。」
と彼は言います。
そして、笑顔で、
「私は、まだカンボジアで5〜6年は、一生懸命に働くことができると思います。」
と話します。
カンボジアの人々にとっても、日本人のこのメンタリティを学ぶべきです。
彼は、5年から10年での改善を望んでいます。
井上さんは、
「3M教育」
の重要性を強調しました。
それは、
心、メンタリティ、そして道徳。
井上さんは、学校の前で掃除をしているときに、一緒に手つだってくれたり、これで何かを食べてとお金を差し出す人もいたりしたと言っています。
「より多くの人々がこの活動に関わっていけば、カンボジアはきれいになります。そして、人々がきれいな街の心地よさを知れば、道路にゴミを捨てることはなくなるでしょう。」
と彼は願いを込めて話していました。
引用:Cambodiannessの記事より翻訳
https://www.youtube.com/watch?v=mej6tkrcjFE&app=desktop
ビデオを見ると、並大抵のことではないことがお分かりいただけますね。
やはり、教育は大切。
とりわけ、環境教育は、心が純白な幼少期にこそ、しみ込んでいくものと思います。
ポルポト政権を含め、長く続いた内戦により教育の機能を失い、自ら環境について考えることを教わることなく育った人々がほとんどのカンボジア。
かたや、「来た時よりも美しく。」とゴミを出さない、きれいに片付けることを徹底的に教えられる日本。
そのあまりにも大きな違いをここに見るわけです。
カンボジアの人々の関心は、彼のごみを集める行為にありますが、
実は、それ以上に、
なぜ大学教授がそんなことをやるのか
にもあるようです。
そもそも、カンボジアの人々も、ごみ集めは、
学校に行っていない、仕事に就けない人々の仕事
くらいにしか思っていません。
よく、地元の人々にも、
「なぜ、大学教授のあなたがそんなことをやるのか。」
と尋ねられるそうですが、井上さんは、
「やりたいからやるだけ。」
と笑い飛ばして答えるのだそうです。
すごすぎます。
彼の行いに対して、市やコミューンも動き出しました。
彼の名前の入ったプラスティック袋を市が贈呈してくれました。
フェイスブックのニュースサイトにも取り上げられています。
もう一本の動画、再生回数やシェア数が半端ないです。
クメールNOTE TV
たった一人の日本人の行いが、カンボジアにこれほどまでに影響を与えている事実。
そして、
カンボジアでの日本の印象度を良くしている
ことを感じるわけです。
彼の生き方は、我々、在留邦人全体にも大きな示唆を与えてくれているように思います。
井上さんのブログでは、活動の思いをご自身の言葉で語られていて、とても興味深いです。
(*井上さんから許可をいただいたうえで、掲載させていただいております。先日、彼から、メッセージをいただきました。彼は、現在日本に帰っておりますが、カンボジア行きの便の再開を首を長くして待っていらっしゃいます。)
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