カンボジアの教員養成システムに赤信号
カンボジアでは、ポルポト政権崩壊後の教師不足を補うために、字を読み書きできる人々を「指名教員」として採用しました。
そして、慢性的な教師不足を補うために現在もなお続いている、非常勤教員(Contract Teacher)の制度となっています。
地方の小学校を訪問すると、増大する生徒数に対して、教師の数が圧倒的に足りないために、数名の臨時教員が在籍しています。
カンボジアの正規の教員養成システムは、内戦終了後の1982年から開始され、現在4つの種類があります。
教師という職業は、カンボジアでも人気があります。
アンケートによれば、教師になりたい理由として、
があります。
この中に、給与や生活の安定性が入っていないのが、お分かりいただけると思います。
教師の月給は、200$~300$。
いくら安定しているといえども、この給料では、とても食べてはいけません。
よって、先生たちは、放課後の時間を利用して、私塾を開き、稼いでいるのが実情です。
日本では、給与が保障されているので教員の副業は禁止されていますが、カンボジアにはそれがありません。
実は、ここにこそカンボジアの大きな問題があります。
その大元の理由は、
国家財政が乏しい
からなのです。
それに加えて、今、この新型コロナショックにより、カンボジア政府は大打撃を受けています。
それは、
政府の税収や観光収入が大幅に減っている
ことです。
外国人が一切来なくなり、アンコール遺跡等の莫大な観光収入が見込めなくなったばかりか、企業の経済活動の停止により、支払われるべき税収も入らない状態なのですから。
その証拠は、5月から一斉に交通違反による反則金を数倍に引き上げたことに見られます。
また、先週耳にしたのですが、なんと来年度の各教員養成校の新規入学を見送るという話まで飛び込んできました。
新たに配置される教員がいなくなるということは、より質の高い教育を目指すカンボジアにとっては、大きなマイナス要素。
スバイリエンの教員養成校でも、今年度は新規入学者はなし。
現在在籍している2年生が卒業したら、生徒がいなくなります。
これは、大変由々しき問題です。
カンボジアは、観光頼りの国だけに大打撃を受けています。
また、内需の産業がほとんど育っていないために、自ら資金を生み出すこともままなりません。
そんな、社会情勢の中で、子どもたちは学びを再開しています。
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