【スタッフブログ】教師経験を生かす第2の人生
私は長い間教員をしてきて、数年前に退職しました。
昨年、縁あってカンボジアに訪れることになり、カンボジアの地方の学校や学校建設の現場を見てまわりました。
プノンペンは外国資本が投入され高層マンションが立ち並び、私の予想とは異なり、カンボジアに本当に支援が必要なのかと思わされました。
しかし一方、首都を離れ地方の学校に行くと、トタン屋根のたった三つしかない狭い教室に、たくさんの生徒が溢れかえっていました。
夏はとても暑く、雨季には雨の音で授業にならないそうです。
それでも、毎日、150〜200人以上の生徒が通ってきます。
ある学校では、待機児童300%だそうです。
この貧富の格差に大変驚かされました。
次にカンボジアを訪れるときは、是非、直接この子供達に触れ合いたいと思い、JECSAのインターンプログラムに参加しました。
私が訪れたRun Ta Ek地域は、アンコールワット周囲のスラムを立ち退かされた人たちが多く居住する場所です。
役所も校舎もとっても立派です。
しかし、シェムリアップからバスで50分のアンコールワットのさらに奥、周囲には何も産業がないところです。
生徒は約800人。
私は4年生の3クラスの英語を各クラス週2コマずつ受け持つことになりました。
1クラス約40人。生徒は9歳から15歳までいます。
多くの子ども達はスラムの子ども達だと先生が教えてくれました。
カンボジアの学校は小学校でも毎年、進級テストがあります。
家の手伝いのために休む生徒もいます。
だから学力が足りずなかなか進級できず、年齢はまちまちです。
指導する英語はごく初歩ですが、一つ一つの指示が英語では伝わらず、翻訳機でクメール語に直し、スピーカーで流してやっと伝わるといった状態で大変苦労しました。
初歩であるほど、語学の学習は、現地の言葉でしっかり意味を説明してあげたいとつくづく思いました。
私はこの子達にとって本当に力になることができているのだろうか、毎日教材を準備しながらいつも考えていました。
最終日、私は先生たちに手紙を書きました。(もちろん、クメールに訳して)
1ヶ月,このインターンプログラムに参加して、多くのことを学ばさせていただきました。
このプログラムでは年齢を問わず、いろいろなことを感じさせられる素晴らしい体験ができると思います。
英語が堪能だからと言って、決して良い指導ができるわけではありません。
若者は若者らしい感性で、しっかり心を開いて、子ども達だけではなく、若い先生方(ほとんど18歳から20代前半)と語り合ってください。
また、私のような高齢者(特に教育経験者や教育に情熱を持っている方)も、是非参加してほしいと思いました。
新しい世界が広がります。