エンジンのオーバーホール
「雨後の筍」
ちょっと的を得ていないかもしれませんが、
プノンペンで、ちょっとその辺を走ってみれば、この3つは繰り返し繰り返し目にします。
それほど、カンボジアには、そこら中にバイク屋さんがあるんです。
実は、ここのところ私のバイクの調子が悪く、排気管から黒煙が出ることと、オイルの減りが早いことに手を焼いていました。
また、スロットルの反応が悪く、エンジンがやたらとぎくしゃくするのです。
そこで、家の近所のこちらのバイク屋さんに診てもらうことにしました。
10月28日 午後2時半。
自宅から5分の、ちょっと見、粗末な小屋のバイク屋を訪問。
若い店主のお店。
(奥の方で奥様に背中をマッサージしてもらっていました。)
英語とクメール語のミックスのやり取りで、
「エンジンの調子が悪いので見てもらえますか。」
「今日はできないから、明日持ってきて。」
てな感じで、仕方なく帰りかけると、
「ちょっと運転して、調子を見てみるから。」
と言って試乗に出ました。
すると、
「これは問題だ。」
と言って、カウルを外し、エンジンを分解し始めました。
エンジンを分解するのを見ているのは、結構好きですね。
内部を見るのが怖い。何となく、嫌な予感が・・・・。
や・は・り・・・・、真っ黒であった。
はい、シリンダーヘッド。
やばいですよ、これは。カムシャフト周りにカーボンが付着して密閉しなくなってました。
こちらのピストンも同様に。
こびりついたカーボンをこすり落としましたが、これは交換した方がいいと言う店主。
当然、ピストンリングも交換となります。
お店には、交換部品らしきものはないのですが、店主の青年はというと・・・・。
プイッと自分のバイクで出かけていき、3分ほどで部品を調達して戻ってきました。
実は、カンボジアでは、薬局や雑貨屋などが、同じエリアに固まって存在していますが、このように相互補完し合って経営しているんです。
例えば、クイテウを食べたくてお店に行くと、
「うちにはないよ、少し先の店にあるよ。」
とあっさりと教えてくれたりします。
日本では、商売敵の店なんか教えるものかと言う感じになりがちですよね。
雑貨屋で瞬間接着剤(502)はありますかと聞くと、隣の店に行って仕入れてきたりすることもあります。
このように、バイク屋さんたちも、お店に置いていないものは、互いに助け合って経営しています。
これ、日本には無いシステムで面白いですね。
こういうことができるバイク屋さんは、腕がいい証拠です。
彼は、部品を一つ一つ外し、そのすり減り具合を目で確かめていきます。
日本でこういうことができる技術を持っている人は、それほど多くはないのではないかと思うのです。
この青年、時々クメール語で話しかけてくることが面白い。
それに日本語で答える私。
「○×△○×△○×△・・・」
「ああ、なるほどね・・・・」
この会話、結構笑えます。
パーツをガソリンできれいに洗っていきます。
これを本当に組み立てられるのだろうか。
作業すること5時間。
暗くなってからは、私はスマホのライトを照らす補助をしながら見ていました。
終わったのは、夜の7時半。
オイル交換
エアクリーナー交換
ピストン交換
ピストンリング交換
バルブ清掃
シリンダー内清掃
マフラー清掃
これだけやって、120,000リエル(約30$)です。
多分、これを日本でやったら、10万円くらいは請求されるでしょう。
5時間も黙々と作業を続けてくれたお礼に、多めのチップを渡そうとしたところ、この青年、はにかんで受け取ろうとしません。
「飯も食わずに、5時間も作業してくれたんだから・・・。」
と無理に手に握らせました。
若いのに素晴らしい技術を持っている青年。
しかも、真面目で良さげな性格です。
こういう青年が一生懸命働いている姿を見ると、私はとてもうれしくなりますね。
ちなみに、カンボジアの若いバイク店経営者たちは、親から教わったり、若いころ雇用されて働きながら技術をおぼえて、独立します。
カンボジアにも、このような弟子入り制度により、技術が受け継がれています。
お金はかかりますが、技術を教える工業系のインスチトゥートのようなものもありますね。
最後に、2週間くらいはシリンダーに交換したばかりのピストンがなじむまで、エンジンを冷却することを忘れないようにと注意を受けました。
ペットボトルの水を携行して、2時間走ったら水でエンジンを冷やせとのことです。
そうか、シリンダー内は、新車時同様だからですね。
そのンジンをかけてみたら、まるで新車ように静かで滑らか。
すこぶる調子がいいです。
これで、明後日の遠出は快適だー。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
本記事が役立ったと思う方、ブログランキングにご協力いただけたら幸いです。
下の広告や写真をワンクリックでするだけで、子供たちへの支援につながります。
なお、記事の拡散・シェア、大歓迎です。
今日もあなたに素晴らしい一日が訪れますように、オークン。
⇩ メールアドレスをご登録いただくと、新着記事のお知らせがメールで届きますので、最新の記事をすぐにお読みいただけます。