【見えない事実】日本とカンボジアが異なる驚愕の地学的現象

2020年6月29日

数日前には、地学・物理学の話題について書きました。

日本とは全く違うカンボジアの太陽高度のお話

それが、元理数科教師の性(さが)を揺り動かしたのかもしれません。

 

実は、記事を書いた後、しばらく空を見つめてながら、あることを考えていたんです。

それは、

カンボジアの天気が急変するのはなぜだろう。

ということ。

空全体が曇っていたと思いきや、1時間もしたら、青空に変わっていたなんてことが良くあります。

バイクで雨の中を移動していると、次の街は路面が全く濡れていなかったなんてこともよくあります。

この理由は、上空の雲の流れが明らかに速いからだと思っていました。

 

確かに、上空の雲の流れは、風の影響によるもの。

 

でも、何か釈然としません。

 

しばらく考えていると、

 

あ・・・。

 

相対性理論。

 

私たちは、自分が静止していると常に錯覚しているのですが、宇宙視点で見れば、実は高速で移動しているということなんです。

 

例えば、

移動している自動車のダッシュボードに座っているマスコット人形は、車内からは止まって見えますが、通りにいる人から見ればある速度で移動していることと同じ。

 

では、いったい自分は、どのくらいの速度で移動しているのか計算してみたくなりました。

『1㎞は赤道から北極点までの距離の10,000分の一』

つまり、地球を完全な球体と仮定した場合、赤道から北極点までは地球の円周の4分の一。

そうすれば、地球の円周は、約40,000kmだとすぐにわかります。

その距離を24時間かけて、回っているということから、

40,000÷24=1667

私たちは、時速1,667kmの速度で動いているということになります。

 

なんという驚きの事実。

地球はこんなにも高速で回っている。

 

でも、これは、あくまでも赤道上のこと。

 

各緯度によって、周回する軌跡に当たる円周の大きさが違います。

スイカを中心に切るのと、3分の一辺りを切るのとでは、現れる円の大きさが違いますよね。

それと同じ。

大きさが違えば、円周の長さも違うから、日本とカンボジアでは自転速度も違うだろうという論理です。

 

各緯度の計算には、その地点の周回軌道が描く円の半径rが必要です。

これは、理論的には三角関数で求められるはず。

地球の半径R=40,000÷円周率÷2=6370km

r=Rcosθ

これで、どの場所の緯度における速度計算の準備ができました。

 

東京、プノンペン、デュッセルドルフ(ドイツ)の3つの都市を抽出してみました。

理由は、私が住んだことのある都市だからです。

低緯度から、順に並べると、

①プノンペン(北緯11度)
②東京(北緯35度)
③デュッセルドルフ(北緯51度)

の順になります。

計算して出た答えが、下の表。

  緯度 時速(km/h) 秒速(m/s)
プノンペン 11 1633 453
東京 35 1366 379
デュッセルドルフ 51 1050 291

 

そうか、プノンペンでは、東京よりも高速に動いていることになっているんだ。

 

ついでに、カナダのアラートという北緯82度の世界最北端にある都市。

ここでは、cosθがなんと0.14だから、円周は891km。

891×2×3.14÷24=233

自転速度は、時速233kmです。

東京の6分の1の速度。

驚きです。

 

でも、私たちは、この違いをほとんど知覚できません。

その理由は、ただ一つ。

 

それは、大気も一緒に自転しているから。

 

 

例えば、走っている電車の車内でジャンプしても着地位置がずれることはありません。

でも、走っている板トロッコの上でジャンプしたら、おそらく線路上に落下することになるでしょう。

空気を一緒に運ぶか否かの違いですね。

 

これと同じ理論で、大気は地球と一緒に動いているはずなんです。

 

実は、地球は自転しながらも、大気に何らかの影響を与えているのではないかと考えてみたのですが、やはり、地球は大気を伴って自転していることに落ち着くと、カンボジアの天気の天気の急変はそこが理由ではなさそうです。

 

仮に大気が取り残されて、球体だけが時速1633kmで動いていたら、地表のあらゆるものは、突風で吹き飛ばされてしまいますから。

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