カンボジアの工場労働者の悲運
2020年現在、カンボジアの工場労働者の給料が月額190$であることは以前の記事にてお伝えしました。
ところが、このコロナウィルスによるサプライヤー工場の生産停止に伴い、カンボジア内の多くの工場も現在生産を停止しています。
したがって、縫製工場で働く多くの女工さんたちも、失業状態にあります。
国から保障されるのは、20%(約38$)に過ぎず、とてもこれでは暮らしていけるものではありません。
私が、生活支援をしている女工さんたちも、出費をさらに切り詰めなければならず、現在、極貧状態の生活を強いられています。
多分、日本の皆さんは、労働者たちの生活がイメージできないと思いますので、今回いくつかの映像をお見せしながらご理解していただければと思います。
まず、工場労働者の生活を素材にした歌と共に、遠くからトラックに立ち乗りして工場まで通う労働者たちの実際の映像をご覧ください。
歌詞には、
私は工場労働者。
遠いところまで、毎日トラックの荷台に揺られて働きに行く。
朝早くから、夜遅くまで、働く時間はとても長い。
食べるものはいつも少ない。
自宅に帰れば、一部屋で大勢の人たちと寝る。
いくら体が痛くても、休むことはできない。
離せる人はだれもいない。
1年に2回、長い休日に田舎に帰ることだけが楽しみ。
と苦しい生活を訴えかけています。
情感の込もった歌なので、なおのこと心に伝わってきます。
途中で一人の女工さんが語る箇所は、涙を誘います。
もう一つ、工場内で働く労働者たちの作業の様子をご覧ください。
経済特区にある工場は、たいへんに大きな規模で、数千人~数万人の労働者が一度に働いていることがお分かりいただけると思います。
工場内に響くミシンの音。
黙って働いている様子がうつされていますが、実際には何人ものスーパーバイザーが各生産ラインを監視していて、労働者たちは怒られながら仕事をしているのだそうです。
体調が多少悪くても、休めば大幅に減給されたり、最悪の場合は解雇されるので、無理して働き続けることになります。
私は、現地で彼女たちの生活ぶりを見聞きしているので、これらの歌を聞くたびに、とても胸が痛みます。
ユ二クロ・H&M・しまむらなど、日本で売られている多くの衣料製品の裏に、こういった縫製労働者たちの涙が存在していることをご理解いただけたら幸いです。