写真・動画撮影およびメディア掲載基準ガイドライン

国際協力NGO JECSAカンボジア

策定日 2026年8月20日

目的と基本理念

本ガイドラインは、JECSAカンボジア(以下「当団体」)に関わる全てのスタッフ、インターン生、スタディツアー参加者、ボランティアが、現地の児童の安全、人権、およびプライバシーを保護しつつ、透明性の高い活動報告を行うための共通基準です。

私たちの基本理念は「その写真や情報が10年後に本人の目に触れたとき、あるいは世界中に拡散されたとき、本人の尊厳を傷つけず、成長した本人が誇りを持てるものであるか」を常に問い続けることです。

撮影・掲載における「絶対禁止事項」

以下の項目に該当する写真・動画の撮影およびWebサイト・SNSへの掲載は、理由を問わず一律禁止とします。

  1. 個人の特定につながる情報の組み合わせ:
    「児童の顔写真」と「児童の実名(フルネーム)」、および「詳細な居住地(村名・世帯名)」をセットで掲載すること。
  2. 尊厳を傷つける状態の撮影・掲載:
    衣服が乱れている状態(適切な着衣がない、不自然に衣服が汚れているなど)、あるいは体調不良で衰弱している様子、過度に泣いている姿など、本人の尊厳を損なう状態の撮影。
  3. 「ポバティ・ポルノ(貧困の搾取)」の禁止:
    寄付や共感を誘う目的で、農村部や家庭の困窮ぶり、あるいは孤児院などの環境を過度に悲惨に演出・クローズアップして撮影すること。

Webサイト・SNSでの「表現・撮影基準」

支援者(サポーター)への誠実な報告と児童の保護を両立するため、以下の撮影手法とテキスト表現を標準とします。

【撮影・構図の基準】

  • 対等な目線(アイレベル)での撮影:
    児童を見下ろす角度(弱者や可哀想な存在として見せる構図)を避け、児童と同じ目線の高さ、あるいは児童を見上げる角度で撮影し、一人の人間としての尊厳とリスペクトを表現します。
  • 教育的成長と「エンパワーメント」に焦点を当てる:
    「支援がないと困窮する姿」ではなく、英語授業で元気に手を挙げる姿、図書や教材を受け取って喜ぶ姿、新校舎やトイレの完成を喜ぶ姿など、教育を通じて自立へ向かう前向きな変化(エンパワーメント)を発信の軸とします。
  • 顔の露出を抑えた広報素材(代替構図)の積極的活用:
    個人の特定や悪用を防ぐため、以下の構図を意図的に取り入れます。
    • ノートに文字や算数を書いている「手元・教材のアップ」
    • 授業に集中している子どもたちの「後ろ姿」や「横顔」
    • 個人の顔が小さく写る、学校全体やクラス全体の「引きの集合写真」

【文章・テキストの記載基準】

  • 実名の非公開: Web上に個人のストーリーを掲載する場合は、本名は決して出さず、必ず「ソピア君(仮名)」などのように仮名である旨を明記します。
  • 家庭環境の抽象化: マンスリーサポート世帯の個別レポート等では、その家族が特定されないよう、家庭環境や経済的背景の詳細なエピソードは適度に抽象化して記載します。

インフォームド・コンセント(真の同意)のプロセス

現地での撮影同意は形式的なものにせず、以下のプロセスを徹底します。

  1. 現地語(クメール語)での説明: 児童およびその保護者に対し、現地スタッフからクメール語で丁寧に説明を行います。
  2. デジタルリスクの周知: 「この写真は日本のインターネット(JECSAサイト・SNS)に掲載され、世界中の誰もが見られる状態になり、一度掲載すると完全に消去することは難しい」というリスクを噛み砕いて説明します。
  3. 拒否権の完全な保障: 「撮影や掲載を断っても、受けられる教育支援、奨学金、物資の提供、孤児院でのサポート内容は一切変わらない(不利益は被らない)」ことを明言し、心理的圧力を排除した上で同意(サインまたは口頭確認)を得ます。

インターン生・スタディツアー参加者(外部関係者)への行動規範

当団体の活動には、多くの日本の学生やボランティアが参加します。関係者による個人SNSからの情報流出を防ぐため、以下のルールを義務付けます。

  • 個人デバイスでの児童の顔写真撮影・SNS投稿の原則禁止:
    参加者が個人のスマートフォンやカメラで、現地の子どもの「顔が明確に特定できる写真」を撮影し、個人のSNS(Instagram、X、Facebook、TikTok等)に無断でアップロードすることを一律禁止とします。
  • 公式写真の提供・検閲制度:
    ツアーやインターン中の撮影は、原則として団体の公式カメラ、または許可された端末で行います。参加者が自身の活動を自身のSNSで報告したい場合は、スタッフが本ガイドラインに基づいて検閲・選定した「顔が特定されない写真(後ろ姿や手元など)」を団体から提供し、それを使用させます。
  • 事前オリエンテーションの義務化:
    カンボジアへの渡航前、または現地到着直後のオリエンテーションにて、必ず本ガイドラインについての講習を行い、全員から署名(誓約書)を回収します。

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