工場労働者たちの生活状況

2020年6月23日

工場労働者の生活

工場労働者たちの生活状況は、どのようなものでしょうか。

ある一人のワーカーさんの生活をご紹介します。

コンポンチャム州出身のSopheaさん。

6人の兄弟姉妹の3番目です。

田舎では、祖母とご両親と3人の弟妹が暮らしています。

実家は、農業を行っていますが、手取りわずかな収入しかなく、学校にかかる費用を負担できません。

そのために、彼女はプノンペンに来て、USA資本の縫製工場で働いています。

担当は、紳士服の裾部分をミシンで縫う作業です。

次から次へと流れてくる作業ですから、休む暇がありません。

トイレに行くのを我慢することがよくあるといいます。

多い時には、一日で1,000着の作業をすることがあるのだそうです。

 

そして、彼女の月の賃金は182$。

これは、月曜日から土曜日までフルに働いた場合の月給になります。

やむを得ない事情以外で一日でも休むと、ペナルティとして月給から50$差し引かれます。

ですから、彼女たちは、どんなことがあっても仕事を休むことはありません。

彼女は実家に毎月150$の送金をしています。

ということは、残り32$になります。

友達3人で30$の部屋を借りていますので、部屋代が10$。

電気と水道の光熱費が、4$。

残りは、18$しかありません。

もちろんこれでは、生活費が全く足りませんので、彼女たちは、残業をすることを強く希望しています。

通常は、7:00-16:00までの仕事を、2時間延長すると、2.5$の残業代が付きます。

それで何とか生活を賄っているという状況です。

貯蓄をすることはできません。

まさに、その日暮らしという状況が続くのです。

刺繍作品の持つ意味

今回、ご支援者のお一人が、刺繍作品をすすんで購入してくださいました。

金額は40$です。

そのうち、30$は彼女が手にします。残り10$は材料費です。

この30$が彼女にとっていかに大きなものかがお分かりいただけると思います。

若い女の子ですから、服も買いたいし、少しのおしゃれもしたいでしょう。

そのために、何千もの針を数か月もかけて一つ一つ通していくのです。

裏面を見ていただければ、丁寧な手縫いであることがお分かりいただけます。

額に入れて、お好きなところに飾れば、きっとカンボジアの思い出がよみがえってきます。

機械縫いでは、味わうことのできない丸みや温かさ。

彼女たちは、それでも仕事があるだけ幸せだと感じています。

それは、家族の生活を賄うことができるからです。

それほど、カンボジアの人々にとっては家族は大切なものなのです。

 

刺繍作品を購入いただくことで、彼女たちの生活が楽になります。

彼女たちの生活をサポートすることに共感いただける方、人の手が作り出した芸術を感じる方に、ぜひご購入いただければと思います。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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