カンボジア工場労働者の最低月収
ヨーロッパの関税優遇制度EBA
もう一つ、カンボジアが、現在大きな問題として見守っているのが、ヨーロッパの関税優遇制度EBAが撤廃されるかもしれないということです。
これは、この国の政治的な在り方に反発したヨーロッパ連合が、経済的に制裁を加えるというものです。
カンボジアの縫製品がヨーロッパで売り上げを伸ばしているのは、実質関税ゼロで輸入されていることによる恩恵があります。
これも先進国が途上国に与える支援の一つの形です。
この関税優遇をなくすと、この国は大きな打撃を受けます。
こうして、各国の資本が、こぞって撤退することになれば、カンボジアの経済は大きな打撃を受けることになります。
経済の下降線は人々のマインドが作っている
人々が安いものだけを買い求め始めたときには、すでに経済は下降線をたどり始めています。
ユーチューブに、日本の若者がカンボジアで値切り倒して物を買う動画をときどき掲載されているのを目にします。
私は、それを残念な思いで見ています。
正当な労働対価を支払うことを考えれば、適正な価格があってしかるべき。
ただ同然に手に入れようとすることには賛成できないのです。
生産者が作った製品を、価値を感じて、消費者がその対価として喜んで支払うことができれば、経済は好循環していくのです。
私たちは、安く売られている製品の裏にある、何百万人という人々の汗と涙の存在を知らなければなりません。
苦しい生活に耐えながら、涙しつつ働いている労働者が大勢いる事実を知れば、現状に対する矛盾を感じるはずです。
上の記事は、児童労働に関する記事です。
併せてお読みいただければと思います。
フェアトレードの役割
我々が行うフェアトレードの事業は、工場労働者の少ない給与を補助する役割を果たしています。
彼女たちは、収入の足しにするために、空いた時間を使って製作に取り組んでいます。
生活が苦しい人々の家計を楽にするために、傍観者の立場でいるのではなく、何かアクションを起こしたいという思いが一番の原動力です。
彼女たちが持っている製縫技術を生かしながら、所得の向上に寄与する。
フェアトレードの事業に、そんな、イメージを持っていただけたら嬉しく思います。
労働者たちは、生きるためにどんなことにも取り組む気構えがあります。
ですから、製品づくりにも価値を感じて、熱心に取り組んでくれています。
ちなみに、この作品。
装飾して額ぶちに入れたら、店頭では150$~200$で販売されています。
決して安い値段ではありません。
ハンドワーカーさんたちの誠実で、綿密な作業ぶりをよく理解しているから、私は価値を感じます。
日本の皆様にも、ぜひその点を正当に評価していただき、価値を感じていただければ幸いです。
カンボジア労働者に関する他の記事もお読みいただけたら幸いです。
(2021年4月3日追記)
2021年度は、前年据え置きで、月収の増加はなし。カンボジア政府が描いている当初計画も、コロナの影響で危うくなってきました。実際に、多くの労働者が給食や退職を余儀なくされているのが現状です。
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