カンボジアへの支援活動で考慮すべきこと
今回の記事は、国際協力に携わる方々にぜひともお読みいただきたい内容です。
NGO活動の在り方について、所見を述べさせていただきますが、決して活動そのものを否定するものではありません。
皆様のボランティアマインドを深めるための参考にしていただけたら幸いです。
学校建設、井戸の掘削・・・。
日本の方々は、貧しい人々の役に立ちたいと考えるため、無条件にこれらの活動を善と考える傾向があります。
ところが、善意の支援が、現地の人々にとってはマイナスに働くことがあります。
以下の話は、カンボジア支援に関わる人ならだれもが知っている事実。
2008年、日本の若者40名があるNGO団体主催の国際支援ツアーのために、カンボジアの小さな村を訪れ、井戸掘りの作業をしました。
この井戸が、後に多くの人の健康を脅かすことになりました。
それが、ヒ素中毒問題。
詳しくは、当時NHKで報道されたクローズアップ現代に出演した方のブログをお読みください。
このことにより、
の必要性が浮き彫りになり、安易な井戸掘りツアーは収束していきました。
学校建設も同様です。
多くの人は、校舎と言う箱モノを作れば、教育は良くなると思っていますが、実際にはそうではありません。
校舎以外にも、
など、何百人の子どもや教師がそこで一日を過ごし、教育活動を行うためには、付帯する要素があります。
でも、それよりも、何にもまして大切なことがあります。
それが、
教師の指導力
なんです。
いつも大切なものほど、目には見えないものです。
エサを与えるのではなく、釣り方を教える。
これは、私が、カンボジアに来た時の合言葉でした。
教員養成課程の学生たちに、効果的な指導方法への助言を与えることも、「釣り方を教える」支援の一つでした。
今回、英語教育の質的な向上のために、インターンシップを実施することも、現場の先生方と力を合わせて、足りない部分を補完しながら、指導力の向上を目指すものです。
こちらの先生方は、英語の指導を担当している先生方。
この先生方と協議しながら、教材を作成し、授業を充実させていきます。
4thグレード以上の英語の授業の半分のクラスが、英語をほとんど指導できない先生に任せられているというのが現実。
我々が手を差し伸べながら、多くの先生方が指導技術を向上させ、自分たちにも良い指導ができるという自信を持っていただきたいと願っています。
実際のところ、こんな意見もあります。
「教師の給料が上がらなければ指導力は上がらないよ。」
確かに、教育システムにも改善の余地があります。
でも、教師の給料が上がることで、即、教師の指導力が向上するでしょうか。
それにより、現在の子供たちの教育の質が向上するとは言えません。
どんな小さなことでもできることから行動を起こしていかなければ、向上は望めません。
それよりも、今こうしているうちにも、時は過ぎ去っていくのです。
いつやるの? 今でしょ。
そう、今なんです。
変化は行動を起こすことによってのみ、生まれます。
実は、学校との話し合いの中で、トイレの補修の必要性が挙げられています。
子どもたち700名が使うトイレが4つ。
17名の教師の多くが女性であること。
当然のことながら、教育行政の援助は届きません。
先生方からも、切実な声が寄せられています。
私は、もちろん、そのための力になるつもりでいますが、カンボジアには、地域のコミュニティの存在があります。
そのコミュニティの方々との連携も必要なのです。
日本が支援してくれるという安易な依存体制が地域に蔓延し、学校教育に関心を寄せないコミュニティになってもらっては、かえってマイナス面を助長することにもなりかねません。
例えば、少額でも地域から寄付を募り、その上で不足分を補うという方法もあります。
そうすれば、地域の人々も、自分たちで作ったという意識が持てるでしょうし、それを誇りにすることができるわけです。
このように、支援活動は、本当に現地の社会に役立つことにつながっているのかと絶えず自らに問いかけるものであるべきだと考えます。
PS:支援ビジネスという言葉があります。支援で営利を生み出す活動を揶揄して使う言葉です。これについては、たくさん思うことがありますので、また別の機会にお話させていただこうと思っています。
別サイトにも、意見を述べておりますので、お読みください。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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今日もあなたに素晴らしい一日が訪れますように、オークン。
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