校門の建設には支援が集まりにくいという話
私は、数多くの学校を回っている関係で、学校サイドがどのような支援を望んでいるかが大抵わかります。
その傾向の一つとして、校門や外壁への支援の要請があります。
ボンクナー小学校に2021年に初めて入ったときにも、職員棟の改修から話が始まったのを覚えています。
その時の私は、ALL FOR CHILDRENという看板を掲げているんだから、直接子どもたちのためになるものに支援をしたいと彼らの思いを突っぱねていました。
しかし、今ではある程度、カンボジア人のメンタリティーなるものが少しずつ理解できるようになってきています。
それは、学校でも寺院でも、門は顔であり、大切な要素であるということなんです。
カンボジアのパゴダ(寺院)は、このようにきらびやかなゴールドに彩られた色彩で飾り付けられて設置されています。
ほとんどが、地域の人々からのお布施によって建てられます。
そして、学校も同様です。
こちらは、今年完成したプレイボン小学校の正門です。
現在、ご支援者の氏名プレートの設置準備を進めています。
設置されましたら、実物を皆様に写真でお届けいたしますので、もうしばらくお待ちください。
さて、ボンクナー小学校の方はどうでしょうか。
これが、現在の正門。
門を建設して、どういう教育効果があるかと考える前に下の写真をごらんください。
本日、訪問してきた学校では、先生方が総動員で野良作業を行っているではありませんか。
彼らは、このように無料奉仕で学校のために働く集団なんです。
だからこそ、私の心が動くのです。
つまり、学校の門を新しくすることは、彼らの学校への誇りを高めるために大きな力になると確信できるということです。
現在、建設モデルとしているのが、プレイベン州のある学校で撮影した下のような校門です。
こんな立派な正門が設置されたら、先生方だけではなく、きっと子どもたちや地域の人々にも、元気を与えることになります。
しかし、問題は建設資金です。
スクールサポートをしているような村にある学校ゆえ、大きな金額は集まりません。
建設予算は、3,500$です。
これまでに集まっている学校側がプールしている寄付総額は、2,000$程度です。
そこで、私は、決断しました。
「今年のクリスマスまでに校門を完成させましょう。」
「残りの資金は、何とかします。」
先生方の顔が輝き始めました。
うかうかしていたら、年を超えてしまいます。
早速、建設業者さんを交えての話し合い。
炎天下での現場のチェック。
ボンクナーは小中学校ですから、両校の校長先生のご意見を取り入れていきます。
日本の皆様からも、結構な額のご支援を入れていただいております故、どうしても完成を急ぐ必要があります。
2025年からは、新しい正門をくぐって、生徒たちが登校してくることになります。
ボンクナー小学校では、この3年間で相当なスクールサポートに関わらせていただきました。
・職員棟の改修
・グラウンドのコンクリート打ち
・トイレの改修
・休息所の設置
・ベンチの建設
・焼却炉の設置
・机、いす等の備品の増設
・ソーラー常夜灯の設置
・手洗い水道の建設
英語指導も数々のインターンの力をお借りして、2年間継続して行いました。
大きな支援としては、この正門の建設が区切りになります。
皆様、完成を楽しみにしていてください。
学校の顔が大きく変わります。
願いは、教育にも波及していくことであり、きっと、そうなると信じられる先生方と子どもたちです。