プレイスバイ小学校の図書室のその後
日本、アメリカ、カンボジアの3国の共同プロジェクトで2023年12月に完成した、スバイリエン州プレイスバイ小学校の図書室。
(その図書館の完成式典の様子はこちら。)
小学校から、子供たちが図書館をフル活用している写真が送られてきますので、ご紹介いたします。
まずは、授業の風景。
この学校の生徒たちも中心部から遠く離れたベトナム国境近いところの過疎地にもかかわらず、一生懸命勉強しています。
そして、きれいにタイルの貼られた図書室での読書風景。
座卓のテーブルが何個か置いてありますが、日常的に暑いだけに、子供たちはひんやりする床に座って読書するのが好きなようです。
手段と目的と言う観点で言えば、図書室の建設も目的ではありません。
図書室を建設して、学校の読書教育を向上させる大きなプロジェクトなんです。
それゆえに、作った後がとても大事。
図書室をどのように活用するのか。
それは、現場の先生方に委ねられております。
日本が作って、寄贈して終わり。
そんな国際支援のあり方を改めるべく、私たちは自立する支援を目指して取り組んでおります。
プレイスバイ小学校の図書室建設は、もちろんプロの施工業者さんが行いましたが、片付けのレンガ運びやペイントなど、先生方や生徒たちが日曜日に出勤して手伝いをしてできた図書室です。
この学校のキムホン先生は、教員養成校時代の私の教え子です。
彼の教育への熱意が、学校運営にも大きな力を発揮しています。本当に嬉しいことです。
教師も生徒たちも汗を流し、自分たちの手で学校づくりを行う。
ドイツの教育学者ケルシェンシュタイナーが提唱した労作教育と言うものをご存知でしょうか。
20世紀の初頭、書物中心の教え込み教育への反動として、生まれた教育思想です。
日本の学校では、生活科や特別活動等に組み込まれているものが、教科の枠外の存在で、カンボジアでは実施されているようにも思います。
これが、自主自立した学校運営にもつながっていきます。
私たちが、共同プロジェクトで行う理由がそこにあります。