JICA隊員H氏から見たJECSAカンボジア

活動レポート

私はJECSAカンボジアの活動拠点の一つであるコンポンスプー州でJICA青年海外協力隊として活動しているHといいます。

私は今までに小学校理科専科を1年、中学理科教員を7年ほど経験し、現在は2年ほど中学校教員を休職しています。

そして、今はコンポンスプー州小学校教員養成校にて学生または理科教員に対して理科実験を広める活動をしています。

現在のカンボジア協力隊員は隊員数約30名、そのうちのほとんどが小学校や中学校またはカンボジアサッカーに関わるなどの教育関係の隊員です。

それほどカンボジア政府は国として教育を重点的な課題としています。

そして、教員養成校に配属されている私はその未来のカンボジアを担う教員の卵を指導するという大きな役目を感じて活動しています。

ですが、実際には自分が与える影響力は小さくもどかしい日々が多いです。

理由は

・小学校教員養成校である学生たちにとって理科は様々な教科の中のたった一つの教科に過ぎない。

・カンボジアの小中学校には理科室は無く、実験の道具は教員が自分で買わなければならない。(記録によって異なりますがポルポトの時代に7割〜9割の学校が破壊されています)

などです。

隊員としてやれることはやっていますが、悔しく、もどかしく、なんて自分はちっぽけなんだと思う日が多いです。

私が住むこの町で他に日本人に出会えるとは思っていませんでしたが、そんな時、松田さんにお会いしました。

それから、何度か水道・トイレ建設支援、図書支援、インターン生の英語指導などのJECSAの活動を見学させてもらいました。

私は松田さん(JECSA)の活動に心の底から感動することが何度もありました。

ああ、この方の活動は『生きている』なと。

私の認識としては松田さんの活動は、

「一つの学校を様々な角度から支援し、学校を盛り上げ、先生を鼓舞し、それがカンボジアの子どもたちのためになる」

と把握しています。

複数の学校に見学に行かせてもらいましたが、同じカンボジアの学校といっても雰囲気は様々です。

「この子達は教員や親から愛を受けている」と感じる学校(児童の雰囲気)もあれば、そうでない学校もありました。

つまり日本と同じだと感じました。

総じて子どもの雰囲気がいい時は、誰かしら(多くは教師)の愛をたくさん受けている子どもです。

JECSA が関わるある学校に期間をおいて見学に行ったことがありました。

一度目に見学をした際には「この子たちは愛情が足りてないな」と思いました。

初めて会う私にカンボジアの子ども特有の笑顔とは別にぶっきらぼうな言葉や態度を示してきました。

そして、半年ほど経った後でしょうか、その学校に理科実験のお手伝いで伺う機会がありました。(私が行っていない間もインターン生の英語やJECSA の支援は続いています)

写真は授業中の写真ですが、学校に到着した際に子どもが近寄ってきました。

私はその実験授業が始まる前から子どもたちの変化に感動していました。

以前と比べてはっきりと雰囲気が変わっているのです。

なんとも言葉で言い表すのは難しいですが、子どもたちの中にあたたかい雰囲気がありました。

私は教員として人として、誰かの成長や幸せを感じた時に何よりの感動を覚えます。

そんな変化がこの場所では起こっている。

心の底から「すごい。」と思いました。

このJECSA の活動は「生きている。」と感じました。

その後、その学校では、カンボジアの教師による授業以外での英語の課外授業が始まったことも驚きました。

大抵、カンボジアの教師たちは塾として、授業時間外にお金を集め教科を教えていることはありますが、無料で教えているなんて聞いたことありません。

学校の教師が変化し、さらに子どもたちも変わっているのだと、またさらに感動しました。

写真は、目を閉じて英語の暗誦を一生懸命する子どもたちです。

多くのカンボジアの小学校では図書設備も足りません。

スバイリエンの小学校にも実際に松田さんと同行させてもらいました。

その際に6年生へ質問しました。

「小学校に図書館は大切か?」

彼女たちは

「本を読めることは私たちにとって幸せ(សប្បាយចិត្ត)で、本を読むことが好き(ចូលចិត្ត)だ。前は本が無かった。子ども(低学年の子)も楽しそうに今は本を読んでいる。」

と語ってくれました。

図書の支援は、子どもの幸せにつながるのだとこの学校への同行を通じて、感じることができました。

JECSAの活動を見る度に、私も生きる力を得ています。

松田さんはよく「私たちの活動は太平洋に小石を投げるようなものだ。でも投げることが大切だ。」と言います。

私は、その小石が着実に波を広げていると感じます。

上述したように私の活動はちっぽけだと感じますが、私も石を投げ続けたいと思います。

H氏は、2024年3月に帰国されました。私も、この文章を通して、H氏と学校を回って指導を重ねた頃のことを懐かしく思い出しています。現在は、地元の中学校で、カンボジアでの指導経験を踏まえた素晴らしい授業を行っていることでしょう。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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